初めて、福島へ_2012_5/14

日本至上過去最大の地震の被害を
一度この目で見てみたいとずっと思っていた


ある日兄貴からメールで
5月あたり福島に行ってみないか
と誘われた


6月以降は自分の都合で行けなくなってしまうので
ある意味グッドタイミングだったので
行くことにした


福島も初めてだが
兄貴と二人で旅行も初めてだった


兄貴がいわき市にあるスパリゾートハワイアンズ
フラダンスを踊っているフラガール達が
震災後町興しに奮闘していたので
見に行きたいと言ったので
正直そこまで期待せず
ハワイアンズに泊まることになった


交通手段はやはりいつもの夜行バスが断然お得だったので
行き帰りとも予約して行った
新幹線を使うのと比べると往復15,000円も違うのだ


そのかわり今回国内では最長の片道合計11時間程度の
長旅となった
しかも最近高速バスの事故が多かったから少々ビビった


とはいえ夜行バスは無事郡山に到着し
高速バスに乗換え兄貴との待ち合わせ場所
いわき駅に到着した




常磐線の予想以上の本数の少なさに諦め
歩いて海岸に出ることに決めた


いわき駅周辺は学生や出勤する人たちの姿も多く
想像とは違い穏やかだった


近くの立ち食いうどん屋さんで朝飯を食べ
店主のおばちゃんに少しだけ話しを聞いた


駅のあたりはほとんど影響はなかったらしい
ただいわき市と言っても駅周辺だけがいわきじゃない
海の方まで行くと
とても被害が出ているということを教えてもらった


歩いて数十分
景色はすぐに変わった
駅周辺との落差がかなりある
ド田舎の町並みになった


そしてとても静かだった
子供の声がまるでしないのだ


車の交通量はそこそこあるが
とにかく人がいない


でも時間はまだ10時ころだったので
子供は学校に行って家の人も仕事に出てるんだと思った


明らかに選択を間違えて
人気のいない道を3時間近く歩いた
海岸沿いに出たが
そこではあまり被害の様子はわからなかった


もう少し歩いて大通りに出て
結局タクシーを捕まえて久之浜へ行った


タクシーの運転手さんに辺りの被害情報を聞くと
久之浜駅から東にまっすぐ歩いたところは
最も被害の大きいところの一つだと教えてもらった


そこに行く前にお腹がすいたので
久之浜駅周辺で地元の食堂みたいなところを聞いたが
ほとんど津波の被害にあってしまい亡くなっていると聞いた


でもそんな人たちの集まりで
掘建て小屋をつなげて小さな商店街を造って
その中で一軒食堂があるというので連れて行ってもらった


そこはカラスや食堂と言うラーメンとカレーがメニューの
まさに地元の食堂だった


兄貴はラーメンと餃子
僕はカツカレーを頼んだ
これがまたとても美味しかった


お勘定のとき
東京から来たんですか?
ゆっくりしていって下さいね
って声をかけてくれた


商店街には他に小さなスーパーやおもちゃ屋さん
洋服屋
震災の様子をまとめたギャラリールーム等が設置されていた


そこから歩いて海岸へ出ると景色が一変した


おそらく一軒家やアパートが建っていたと思われる跡が広がっていた


家屋の平面図のように間取りの土台だけが残されて
数件の家屋と一棟の神社が取り残されていた


すでにある程度の整理はされていても
それでも瓦礫や小さな鏡や靴等のこまごまとした小物は
そのままになっていた


iPhoneの地図でさっき立ち寄ったからす食堂が示されている場所も
家の土台だけになっていた