冰とのこと。(9)

1月の下旬
クリスマスの丁度1ヶ月後っていうのは偶然の話し

3度目の来日のある日
内緒でレンタカーを予約して
行き先を告げずに
琵琶湖東北部にある湖畔の温泉宿に行った
寒かったけどとてもいい天気だった


スケジュールに余裕がなかったので
昼食と入浴がセットの日帰りプランを予約して行った


料理は値段の割にはボリュームもあって
とても美味しかった
そのあと琵琶湖一望できる貸切露天風呂に入った


今回の来日で
僕の口から自然とその言葉が言えたら結婚しよう
躊躇して出て来なかったらそれまでだ
と考えていた


特に長ったらしい前置きはなく
少し緊張はしたけど
ごく自然に言葉は出て来た


その瞬間もちろん彼女は喜んでくれた
ただそのあと
少し間を置いて
僕の正面を向きながら
涙をぽろぽろと流し始めた


それがとても嬉しかった


家族以外で
僕と一緒にいられるということを
心の底から喜んでくれる人がいる


そう言う人とこれから生きて行けるって言う事実が
とても幸せでありがたいことだと思った


今月で付き合って3年になる
遠距離ということは
僕にはそこまで苦にならなかったけど
こおりはとても辛そうだった


来月から一緒に生活できる
それがなんだか信じられない


僕たちは元々苦難を覚悟の上で付き合い始めた
日本に来たとしても大変なことはまだまだあるだろう


でもこれからは一緒にいられる
いつまでもそのことを当たり前と思わずに
一緒に夢を叶えて行けたら
きっとすばらしい人生になる


これから正に第二の人生が始まる
二人で世界を歩きたい