工藤ちゃん

桑沢デザイン研究所で
人生を変える出会いをいっぱいした

そこで出会った人々には
明らかに影響を受けた

むしろ、いまの僕の考えや喋り方は
その人たちの部分部分を真似した
言わば彼らをパクって形成されているんだと思う

その中でも大いに影響を受けたのが
工藤ちゃん

僕の事をパシリのように使い
人を罵り
馬鹿にしても
それでもなぜか憎まれない

彼は社会的に有能で
豊かなコミュニケーション能力を持っている
それは認める

だけど
話のネタが
基本的に下世話で
とにかく下ネタや侮辱的な言葉で
周囲を笑わせる

そんな工藤ちゃんに今日
久しぶりに会った

僕は少なからず
工藤ちゃんの喋りや口調に
影響を受けて
喋りが上手くなったと思う

でも、やっぱ
工藤ちゃんの足元にも
及ばなかったのかもしれない

彼の喋りは相変らず
人を侮辱し
下ネタをしゃべっていたけど
なぜかとても魅力的で
みんなとても楽しそうだった

僕は全然口を挟めなかった
なぜかそれが妙に悔しかった

工藤ちゃんは
僕が京都に行く事について
止める事もなく
わかったような口で

「やればいいじゃん」
「四回や五回失敗してもいいんじゃない」

とか言ってた。

悔しいけど
嬉しかった

悔しいけど
悔しいけど

腹が立つけど