山を越えて

ブチぎれてしまった


感情的にブチぎれたわけじゃない
容赦なく
気を使うことなく
不満をぶちまけた


なぜこんな思いになったのか
なぜ腹立たしいのか
気持ちをありのまま伝えた


今までで一番深い谷に落ちていった
かろうじて紐は切れることはなかった


自分がいかに弱く女々しく情けなくて下らない人間か
ついに彼女に話した
いつまでも話すことはないと思っていたけど
話さないとこの谷から抜け出せなさそうだったから


少し気が楽になった


俺って言う男はなぜこんなにも「プライド」というものに
左右されてしまう人間なのか
そんな風になってしまったのか


きっと子供の頃からこうなることは
薄々気づいていたのかもしれない


それをついに隠せなくなった


好きとか愛してるとか
そんな言葉俺には分からない


ただ愛しく思うことがある
そんなもんなんじゃないのか
それでいいんじゃないのか
答えはあるのか
あったとしても聞きたくない


また一つ山を超えた
どんどん大きくなる山
これからも超えていけるのかはわからない
それは俺一人の問題じゃないから