お母さんの夢

夢を見た


最近はよく仕事の夢を見るんだけど
今朝も同じように見ていた


京都の文化の映像を見る講習会のような場面だった
実際の仕事ではそんなことはしないけど
ミニシアターのような場所で上司の講義を聴いていた


しばらくするとアルバイトの女性がとなりでなぜか
声を出して泣き出した
少し体を震わせて泣いている


その泣き声で目が覚めた
となりでこおりが泣いていた


体を震わせて
息を詰まらせながら泣いていた


ビックリして様子を見ていたら
どうやらなにか夢を見て泣いてるようだった


ポロポロと涙を流しながらも起きそうにないので
無理矢理起こすのもかわいそうだと思ったけど
肩を揺らして起こした


なかなか目を覚まさなかったけど
やっと気づいた様子で目を開けると
また泣きながら頭をこっちに潜らせてきた


しばらく頭をなでて落ち着かせてあげた
怖い夢を見たのかと聞くと
うぅん違うと言った
それ以上は聞かずにこおりからしゃべるのを待った


そのあと
お母さんの夢
と言った


小学校の頃の夢を見たらしい


こおりは小学生の頃は母親は遠くに勤めていて
おじいちゃんおばあちゃんと一緒に暮らしていた
たまに会いたくなってよく泣いていたらしい


小学校三年生のときに両親が離婚して
中学生に入ってからお母さんと一緒に生活できるようになった
その頃には再婚していた


好高校の頃は楽しく暮らしていたらしい


それからこおりが20歳になる頃にお母さんは病気で亡くなった


その後はまたおじいちゃんおばあちゃんと暮らして来た


付き合い始めた頃
こおりは普通の家族の形がよくわからないと言っていた
その頃から僕はいつか一緒になったら
僕の家族と会わせてあげて一緒に夕食を食べたいと思っていた


お母さんが亡くなっていたことは付き合う前から聞いていた
不幸だった
鬱にもなったと言っていた
でもそこから自分の力で頑張り
日本語を勉強して
僕と出会い
結婚してそれなりに幸せを感じてくれていると思う


こおりは若くして母親を亡くしこれ以上ないどん底を味わった
家族みな健在の僕とは真逆だ
だから僕にとってこおりはかけがえのない存在なのかもしれない


これからは僕がどんどんどんどん幸せにする
めいいっぱいの愛を